加速するバブルと崩壊の危機
中国の貿易黒字がすでに昨年実績を超えたそうです。
【ホータン(新疆ウイグル自治区)=寺村暁人】今年1月から9月までの中国の貿易黒字が1098億5100万ドル(約13兆円)となり、2005年通年の黒字額(1018億8000万ドル)を超えたことが12日、中国税関当局の発表で明らかになった。
このペースで推移すれば、06年通年の黒字額は1500億ドル以上となる見通しで、米国などから、貿易不均衡の是正に向け、人民元の対ドル・レートの上昇を求める声が強まりそうだ。
発表によると、中国の今年9月までの輸出額は前年同期比26・5%増の6912億3100万ドル、輸入額は同21・7%増の5813億7900万ドルで、貿易黒字額は同60・4%の大幅な増加となった。
9月の貿易黒字は、152億9700万ドルと、8月の188億ドルから減少したものの、前年同月比では102%増と依然として高い伸びになっている。
(2006年10月12日21時54分 読売新聞)
外貨準備高も世界一を更新したそうです。
中国人民銀行が13日発表した金融統計(7―9月)によると、9月末時点の中国の外貨準備高は9879億ドルと、6月末時点より468億ドル増えて世界一の規模を更新した。2位の日本を1000億ドルも上回り、10月末には1兆ドルに達する勢いだ。1000億ドルを上回る過去最大の貿易黒字や活発な海外からの投資に加え、人民元の上昇を見込んだ投機資金の流入に対抗してドル買い・元売り介入を続けていることなどが背景にある。
中国の外貨準備高は、輸出が急伸して人民元の切り上げ期待が高まり始めた03年ごろから急テンポで積み上がり、毎年2000億ドルずつ増えている。
国債など低リスクの公債中心で、3分の2以上が米ドル資産とされる。
元高ドル安を阻むためのドル買い・元売り介入で、国内で流通する通貨量は増え続けており、インフレ懸念を抱えている。中国政府は企業や個人の海外投資などの形で外貨を外に押し出す政策を打ち出したが、目にみえる効果は出ていない。
一方、日本の9月末の外貨準備高は8812億7300万ドル(約104兆円)。通貨当局はここ2年半、市場介入をしていない。
2006年10月13日19時29分 朝日新聞
以前のエントリー“減速する中国経済”にて、中国製品の9ヶ月連続で上昇したことを取り上げましたが、このことが中国経済に深刻な影響を及ぼし始めているようです。
確かに貿易黒字額は過去最高を記録していますが、その原因として、高騰する原材料費や人件費、バブルの加熱による過剰投資とそれによる設備コストの上昇による輸出製品価格の上昇、それに加えて過剰な生産設備と共産主義特有の過当競争による利潤を犠牲にした安売り合戦が背景にあると思われます。つまり、貿易額の上昇の割にはそれほど企業としての体力増強にはつながっていないわけです。
そして企業としての体力増強につながっていない為に、中国政府は元売りドル買いの市場介入を続けるしかない。そして介入を続けるしかないが故に、元でドルを購入⇒外貨準備高が増えて元の市場流通量が増える⇒すべてバブルにブッコまれる(中国人気質)⇒市場が活性化⇒海外投資家が元を買って投資する⇒最初に戻るの無限ループに陥っているわけです。
この無限ループはバブルの急激な膨張を招き、その影響は上海などの沿岸州から内陸に向かって急激に広がっています。内モンゴルでおきた発電所を巡る不正事件はまだ記憶に新しいところです。
地方政府は先を争って土地収用を行いその使用料を発電所などのインフラ整備に当て、企業誘致を積極的に行っています。しかし、無計画に企業を誘致したことで生産設備が過剰になる産業が多く、また、共産主義ゆえに自然淘汰が進まないため、大中小入り乱れて強烈な過当競争に陥っています。
特に鉄鋼産業についてはその傾向が顕著です。中国メーカーは自国の過剰設備を稼動させるために採算性を度外視した調達に走って鉄鉱石相場を高騰させ、過剰生産された鉄鋼は逆に相場を下げるという、どこかのネットゲーム並の状況に陥っており、世界を大混乱に陥れています。
そこに中国の苦悩があります。北朝鮮の崩壊に伴う混乱はバブル崩壊のきっかけとなる可能性があり、だからといって、このまま支援を続ければ米国の元上げ圧力に耐えることが出来なくなります。そして日本の技術協力なしには、鉄鋼業を代表とする国内産業の過当競争を整理し、胡錦濤体制の掲げる「和諧(わかい)(調和のとれた)社会建設」を実現することは到底不可能です。
そしてここが能天気なノムヒョン酋長が率いる韓国(青瓦台)との決定的な違いでもあります。朝日新聞ではまるで中韓が協調路線をとるようなことが書かれていますが、能天気な民族主義で北朝鮮の金正日体制維持を目指す韓国(青瓦台)と北朝鮮の金正日体制維持と日米との協調を計りにかけるしたたかな中国政府との間には深い深い溝が見えます。このまま行くとはしごを外されるのは韓国だけということになり、10年後の世界地図から東海と共に消え去ることになるかもしれません。
中国政府はギリギリの判断を迫られることになりますが日米関係を捨ててまで北朝鮮を取るなんて事はまずありえない。今後はいかにして崩壊させるかということが問題となり、崩壊以後の各国の協力体制が問題となってくるでしょう。金正日体制の崩壊はもうすぐです。
日本も体制崩壊の混乱に巻き込まれないよう、すべての事態を想定して守りを固めて備えなければなりません。相手は何をやってくるかわかりません。日本のサヨクマスコミもいい加減、危機感を持った報道しろ。マツタケが高騰したなんて書いている場合じゃないですよ朝日新聞さん。
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