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2006年10月 7日 (土)

議長声明の日中協調

安保理で日中が議長声明案で協調したようです。

対北朝鮮声明、スピード採択 実効性より速さ重視

 国連安全保障理事会が6日、北朝鮮を非難する安保理議長声明を全会一致で採択した。北朝鮮の核実験声明が出されてから3日後という時点でまとまったのは、議長国でもある日本が、声明の形式や内容よりも、安保理が差し迫った脅威に対し、国際社会としての一致した態度を強く示すため、何よりもスピードを重視して対応した結果だった。

 声明案をめぐる協議では、中国の王光亜国連大使が「米国やロシアの修正案が出る前の、日本の草案が一番良かった」「大島(賢三・国連)大使が望むならば、報道声明ではなく、議長声明にすることに異論はない」と発言するなど日中の協調ぶりが目立った

 北朝鮮による7月のミサイル発射を受けた非難決議の交渉では、「議長声明か安保理決議か」、「非難決議か制裁決議か」などをめぐって、日中が激突した。国連外交筋は「7月と異なり、日中が協調したことが大きい。アジアからの次期事務総長として潘基文氏を選ぶ作業が進んでいることや、安倍内閣が最初の外遊先として中国と韓国を選んだことも、いい影響を与えている」と分析する。

 一方で「スピードを重視したため、実効性が犠牲になった」との指摘もある。北朝鮮が核実験を行った場合、強制行動を認める「国連憲章第7章」に基づいて「武器の禁輸やその他の貿易、金融上の措置を取る」といった、米国が求めていた厳しい条文を盛り込む修正は、いずれも見送られ、「第7章」への言及もない。ロシアや中国の賛成取りつけを優先した形だ。

 大島大使は「国際の平和と安全に対する脅威となるとはっきりうたっており、当然、憲章第7章が含意されている」と強調するが、交渉にかかわった安保理外交筋は「15カ国の合意を急ぎ、最低限の内容だけを盛り込んだ」と打ち明ける。

 北朝鮮の外交官は「これで我々が態度を変え、一度出したものを再びポケットに戻すとでも思っているのか」と、議長声明を拒絶する姿勢だ。安保理内でも、この声明が北朝鮮の核実験に対する強力な抑止力になるとは受け止められていない。

 一方で、安倍首相と旧知のボルトン米国連大使に近い米国連外交筋からは「安倍政権とは強い政策で一致できると思っていたが違った。我々の求めた選択肢のいくつかは日本によって拒絶された」と落胆する声も漏れている。

2006年10月07日13時25分 朝日新聞

 “「7月と異なり、日中が協調したことが大きい。アジアからの次期事務総長として潘基文氏を選ぶ作業が進んでいることや、安倍内閣が最初の外遊先として中国と韓国を選んだことも、いい影響を与えている」”とあるように、以前と比べ、北朝鮮にとって不利な環境が整えられようとしています。これは偶然でもなんでもなく、7月からの日本(日中韓首脳会談実施)と米国(潘氏への次期事務総長支持)の外交努力によるものです。

 特に、日本が出した議長声明案に中国が協調する姿勢を見せたことが大きい。以前、北朝鮮核実験実施声明にて、今回の北朝鮮核実験実施表明によって、日中首脳会談の主要議題が北朝鮮問題になることは日本にとって望ましいと書きましたが、逆に中共にとっても望ましく思われているという証拠でもあります。

 おそらく中共は、日中関係において、すでに靖国問題で明確な決着が得られない以上、お互いの利害が一致する北朝鮮問題で日本に協調することによって、日本に借りを作って関係改善をアピールした方が良いと政治的に判断したのでしょう。そしてさらに、この議長声明案が実験表明からわずか3日後の6日にスピード採択されたことによって、北朝鮮の時間稼ぎを封じ、8日の首脳会談ではもっと踏み込んだ協議が展開されることが期待されます。あいかわらず雲隠れしたままの金正日は眠れない夜をすごしていることでしょう。

 「安倍政権とは強い政策で一致できると思っていたが違った。我々の求めた選択肢のいくつかは日本によって拒絶された」”などと、米国との摩擦が懸念されるような書き方をされています。

 しかしながらこれは、あくまでボルトン大使本人の発言ではなく、その側近の発言であると紹介されているところから、これをプレス向けの外交的な発言と捉えれば、この“協調する日中と強硬論の米国”という構図は、北朝鮮に対する「圧力」としてかなり“効果的”です。

 そして、イランの核開発問題を抱えるブッシュ政権としては、今回の北朝鮮問題に対する日中協調はむしろ望ましいことであり、摩擦の懸念は少ないと見ていいでしょう。おそらくこの発言は上記の「圧力」と、強硬論が台頭してきた国内向けの選挙対策という面が大きいと考えられます。

 いずれにせよ米国との直接対話を望む北朝鮮にとってはかなり面白くない展開になってきました。日米の主導により、徐々に狭まる北朝鮮包囲網に圧力を感じて核実験カードを切って様子を見たものの、事態は最悪の方向へ突き進み、孤立をより深める結果となってしまったようです。

 明日の日中首脳会談が注目されます。日中協調をさらに進め、この議長声明案に更なる含みを持たせ、北朝鮮を追い詰めることができるのか。安倍首相に期待しましょう。

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おまけ。

アジアのバランサー韓国の朝鮮半島平和外交本部長が9日に訪中するそうです。

韓国の6か国協議首席代表、9日に訪中 読売新聞

今回の結果を受けて、あわてて9日の日韓首脳会談のお伺いでもたてに来たのでしょうかネェ。

 

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