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2006年10月12日 (木)

国連と国会の温度差

制裁案の全貌が明らかになったようです。

【核開発】米日の制裁案は事実上の対北封鎖

200610110000691insert_1_3  南北経済協力・中朝貿易の中断も

 アメリカと日本が国連安保理に提出した対北朝鮮制裁決議案の草案は、国連憲章のうち強制規定を持つ第7章をもとにしている。国連憲章第7章は国際法と同じ効力を持っており、国連に加盟する192カ国すべてがこれを履行しなければならないという拘束力がある。もし、この制裁案が部分的にでも実施されることになれば、北朝鮮への支援が最も多い韓国と中国が最大の影響を受けるものと予想される。

◆米国案が通過した場合

 米国が作成した案は大きく分けて2つの内容に分かれる。北朝鮮の大量殺りく兵器(WMD)開発に関わるすべての物資・技術などの移転を禁止し、北朝鮮金融制裁を強化することだ。米国の草案には明確な拘束力を持つ「決議する(decide)」という単語が使われている。今年7月、北朝鮮によるミサイル発射の際に採択された対北朝鮮決議1695号には「要求する(demand・require)」という語が使われた。今回は国連の全加盟国が履行義務を負うことになる。こうなれば、北朝鮮の貿易は致命的な打撃を受ける。

 過去に北朝鮮はスカッドミサイルを1発当たり最高400万ドル(約4億8000万円)程度でアフリカなどの第3世界に輸出した記録がある。また、パキスタンから核物質に関する技術を導入している。この決議案が通過すれば、今後こうした貿易は「不法行為」と見なされる。

 軍民両用の利用用途(dual-use)物品も、これに該当する。せっけん・肥料などを取引するためにはWMDと関係がないということを立証しなければならず、事実上、こうした物品も取引できなくなる

 北朝鮮と取引する銀行も、「取引が北朝鮮のWMDに利用されない」と立証しなければならないため、全世界の金融機関が取引を回避すると考えられる。開城工業団地や金剛山事業で北朝鮮に支払われる資金も、その用途をきちんと説明できなければ制裁対象となる可能性があり、韓国の対北朝鮮経済協力もすぐに影響を受けるようになるだろう。

◆日本案が通過した場合

 日本の決議案草案は、アメリカ案よりもさらに強硬な内容を追加したものになっている。▲すべての北朝鮮船舶の入港と航空機離着陸の禁止▲北朝鮮製品の輸入禁止▲北朝鮮高官の入国・通過禁止を主張している。これに加え国連に北朝鮮制裁委員会(Sanction Committee)を設立すべきとの意見も出している。

 こうした日本案がそのまま確定すれば、北朝鮮の対外活動機能は事実上、完全に停止することになる。北朝鮮の去年の対外貿易額は約30億ドル(約3600億円)だったが、これも急減することが予想される。キューバなど、北朝鮮と友好的な関係を持つ国だけが辛うじて貿易関係を維持することになる。北朝鮮の定期航空路線の北京~平壌間が断たれ、北朝鮮の旗を掲げた船舶はどこにも停泊できなくなる極端なことを言えば、南北長官級会談もソウルで開催できなくなるということだ。このため、「北朝鮮の対外関係を制約しすぎているのではないか」との懸念する声も出ている。

 ある韓国外交部関係者は「今のところ、日本案は国連加盟国の同調をあまり多く得られていないと聞いている」と述べている。

李河遠(イ・ハウォン)記者

2006/10/11 20:30 朝鮮日報

 非常に厳しい内容となっているようですが、すでにこの日米案を調整して修正案が出されているようです。

日米、対北制裁修正案 高官の渡航禁止などを追加

 【ニューヨーク=長戸雅子】北朝鮮の核実験実施表明を受け、日米は11日夜、北朝鮮制裁決議の修正案を国連安全保障理事会の各理事国に配布した。修正案は米国の決議案と日本の追加提案を一本化、各国の意見を取り込んだもので、核拡散防止条約(NPT)体制の堅持や6カ国協議再開に向けた関係各国の外交努力を奨励する文言を新たに加えた。

 修正案は、制裁措置として日本が追加提案した北朝鮮高官の海外渡航、北朝鮮船舶の入港、北朝鮮産品の輸入禁止を加えた。また、大量破壊兵器、ミサイル開発関連物資の移転を目的にした北朝鮮当局者の入国禁止も新たに追加した。

 このほか、NPT体制が維持されなければならないことを安保理は強く確信すると表明、NPT体制のなかで北朝鮮は核保有国になりえないことを想起するとした。

 さらに核兵器・核開発計画だけでなく北朝鮮が他の大量破壊兵器、弾道ミサイル開発計画を完全で検証可能、不可逆的な方法で廃棄することを決定するとした。

 また米国が提案した北朝鮮に出入りする船舶の臨検を可能にするため、国内法の整備を呼びかけた。

 一方、ライス米国務長官は10日、FOXテレビのインタビューで、日米両国の制裁決議に関連して、中国が北朝鮮への支援を再考しているとの見方を示した。長官は「北朝鮮は重要な一線を越えた。最も重要なパートナーからの支援を危機にさらしている」と述べ、中国の支援停止によって政権の存続が危うくなると語った。

 またロシアのチュルキン国連大使は同日、国連本部で記者団に、制裁の要求について「標的を正確に定めているか見極める必要がある」と述べた。

(10/11 15:22) 産経新聞

 ここから中露と調整し、今週中にも経済制裁については採決されるものと思われます。この修正案が100%通ることは無いと思いますが、いずれにせよ非常に厳しいものになることは間違いないでしょう。

 ここで注意したいのは、船舶の臨検を可能にするため、国内法の整備”という部分です。以前、麻生外相の「今、これに対して臨検をするというところまで日本では考えていません。」という言葉を紹介しましたが、 この“臨検をするというところまで日本で考えた”場合、日本国憲法第9条第2項(いわゆる平和憲法)において「国の交戦権は、これを認めない」と規定しているため、国際法上、交戦権に含まれる“臨検”は実施不可能なのです。そのため、これを実施するためには新たな国内法の整備が必要になります。

 その代替案として、海上輸送規正法という法律もあることはありますが、これを行使する場合、前提として武力攻撃事態が必要となります。

 つまり、爆弾を落とされるまでは行使できないために、制裁決議だけでは臨検できないという重大な欠点があるのです。その最初に落とされた爆弾が核だった場合は目も当てられません。

 長年、憲法改正をタブーとしてきたツケが、この北朝鮮の核という脅威を目の前にして、一気に噴出してきた感があります。集団的自衛権の解釈についてもあらゆる事態を想定して細かくそして慎重に規定し、国会で速やかに議論を行って次々と起こるであろう想定外の事態に対処していかねばなりません。

それなのに・・・

 

 

  

 

 

                                  

                     みずほタンときたら…

首相「『ぐちゃぐちゃ』とは不まじめ」 論戦で福島氏に

 「首相就任前は、集団的自衛権の行使はできる、とはっきり言っていた」。11日の参院予算委集中審議で、社民党の福島党首は、安倍首相が集団的自衛権について「行使に当たるかどうか個別に研究する」と答弁したことにかみついた。

 「認めるのかどうか、端的に聞いている」と問う福島氏に、首相は「物事を単純化し過ぎている」。具体例を挙げ「一定の条件がそろっていれば可能ではないか」と説明した。さらに福島氏が「就任前はぐちゃぐちゃ言ってなかった」と追い打ちをかけると、首相も「正確で精密な議論を『ぐちゃぐちゃ』というのは極めて不まじめな態度だ」と声を荒らげた。

2006年10月11日19時24分 朝日新聞

 …そりゃキレますわ。こんなの論戦じゃない。もう瑞穂は質問禁止どころか出入り禁止にした方がいいとおもうよ。

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参考サイト

対北朝鮮制裁、臨検はできないが船舶検査活動は可能たむたむの自民党VS民主党

防衛庁・防衛施設庁情報検索サービス

3歳シリーズ

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コメント

在日帰化人みずほちゃんに投票したのは誰?

投稿: にくじゃが | 2006年10月12日 (木) 08時42分

 福島瑞穂は北朝鮮出身なんでしょうかね?
 非常に差し迫ったテーマがあるにもかかわらず、どうでもいいようなことを質問して時間を浪費させるのは、もしかして、北朝鮮労働党からの指示で動いているからでしょうか。
 日本版のCIAを早く設立して、社民党議員が実は北朝鮮労働党の工作員だったという証拠を発見し、逮捕する・・・ということにはなりませんかねえ。

投稿: ジョー | 2006年10月12日 (木) 11時06分

がんばれニッポン:
サッカーならここで「ちゃ、ちゃ、ちゃ」だが。

なんとしても臨検は実行しなければならぬ。
現実の前にはクソ憲法役立たずを示さねばならぬ。

今回は超法規で応戦・撃沈して日本安泰をしめし、
事後に国民投票で承認、憲法改正へと進んだらどうか。

投稿: ブローガー | 2006年10月12日 (木) 11時39分

『北工作員のテロ警戒、警察・自衛隊の態勢を強化』
政府は11日、北朝鮮への制裁強化に伴い、北朝鮮工作員が日本国内でテロを引き起こす可能性が高まると判断して、国内の治安警戒レベルを強化した。以下省略(読売新聞)

どうりで国賊がおとなしいわけだ。

投稿: 情報屋 | 2006年10月12日 (木) 11時46分

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