北朝鮮核実験実施声明
今月8、9日にも核実験の可能性アリ。
【ワシントン=五十嵐文】米ABCテレビ(電子版)は4日、複数の米政府高官の話として、北朝鮮が年末までに核実験を実施する可能性があると伝えた。
ある米情報担当当局者は、北朝鮮の核実験実施声明について、「単なる脅しと見なすべきではない」と語ったという。
同テレビは核実験の兆候の一例として、8月に北朝鮮北東部プンゲヨクの地下核実験場とみられる施設付近で、車両の動きやケーブルのリールの積み下ろしが確認されていることを挙げた。
一方、5日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、政府内の複数の専門家の話として、北朝鮮の金正日総書記が朝鮮労働党総書記に就任した記念日に当たる8日や、韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商相が次期国連事務総長に選出される予定の9日に合わせ、北朝鮮が核実験を行う可能性があると報じた。
(2006年10月5日13時33分 読売新聞)
可能性としては朝鮮労働党総書記に就任した記念日に当たる8日の方が高いと思いますが、次期国連事務総長の選出日である9日に実施してきた場合は、南北間の亀裂が決定的になるのでそれはそれで面白いことになります。
核実験は由々しき事態かと思いますが、日米と有志連合による金融制裁が相当効いてきた証拠ともいえます。その上、次期国連事務総長が韓国から選出されたことが北朝鮮に追い討ちをかけたとすれば、日米の思惑通りに事が運んでいると見て間違いないでしょう。うまく乗せられたのは韓国のようですね。これで舞い上がってりゃ世話ないですわ。
次は核実験が実施された場合、安保理決議において第7章を盛り込むかどうかが鍵となります。すでに日本政府は4日に声明案を提出しており、これに理事国の大半が支持を表明しています。
中露は相変わらず本国から指示がないとして態度を保留していますが、来ていないわけが無い。これで8日に北朝鮮が核実験に踏み切れば、日中首脳会談で直接安保理決議案への協力を迫れるわけですが、そうでない場合もこの声明案について直接協議できる事には変わりありません。
安倍首相は拉致問題対策本部長に自ら就任したことでもわかるように、内閣の至上目的を北朝鮮による拉致問題の解決においており、7月のミサイル発射時の制裁決議を主導したことから北朝鮮に対する強硬姿勢は国内外に知れわたっています。
そして、このことも北朝鮮が核実験に踏み切ろうとする理由のひとつと考えられます。金正日は対北朝鮮強硬派である安倍首相が8・9日に実施する中韓との首脳会談に相当な圧力を感じているはずです。北朝鮮としては現在のように首脳会談が途絶えている状態のほうが都合がいいのです。
今回は、早い時期に日中首脳会談をという両国の思惑が一致しての訪問となりましたが、うまい具合(ある意味必然的)に北朝鮮が暴発して明確な会談目標が出来ました。アジア地域で影響力を持つ大国同士として、この核実験問題の始末をどのように行い、アジアの安全保障を確立するのかが注目されます。
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