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2006年10月 8日 (日)

ベクトルの転換

首脳会談に向け、報道規制を引いてきたようです。

中国メディア、批判論調を封印 安倍首相訪中控え

 安倍首相の8日の中国訪問を前に、中国メディアは首相の就任時に見せた警戒感や批判的な論調を封印し、歴史問題をめぐる穏健な発言を盛んに紹介している。訪中の意義を強調することで、反日感情が根強い国民に、首脳会談に踏み切る胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席の決断を正当化する狙いもありそうだ。

 共産党機関紙・人民日報は7日、「安倍首相は日中関係が密接不可分と語った」との見出しで、5日の衆院予算委員会で村山首相談話や河野官房長官談話を引き継ぐと明言したことを紹介。祖父の故岸信介元首相を含めた開戦当時の指導者の判断が「間違っていた」と語ったと伝えた。

 同紙は6日にも「中日関係の改善は大勢の望むところ」との見出しで、日本の世論や国際社会が関係修復を期待していると指摘。海外版では「安倍首相は岸元首相の孫として注目されているが、実父の故安倍晋太郎元外相が中日関係の発展に貢献をしたことにも目を向けるべきだ」との専門家の見解を1面に載せた。

 国営の中国中央テレビやラジオの中国国際放送局も、朝昼夜のニュースで安倍首相の前向きな発言や訪中に期待する専門家らの見方を頻繁に取り上げている。

 訪中が決まる前は、「タカ派」といった警戒論や、靖国参拝の有無を明言しない姿勢に対する「闘う政治家に似合わない曖昧(あいまい)戦略」といった批判が主流だった。訪中する外国首脳を中国メディアが持ち上げるのは定番だが、安倍首相に対しては9月下旬の厳しい報道ぶりと比べて変化が顕著だ。

 日本の首相の靖国参拝を「政治的障害」としてきた中国側には、参拝への明言を避ける安倍首相を迎えて国民の反発を買うことへの懸念もあり、それが報道姿勢に反映されているとみられる。

2006年10月07日19時47分 朝日新聞

 今回の首脳会談では、靖国参拝に関してどちらも明言しない方針と伝えられています。

首相、今日から中韓訪問…核実験阻止へ日中結束

 安倍首相は8日、中国を訪問し、北京で胡錦濤国家主席と初めて会談する。

 両首脳は、北朝鮮が実施を表明した核実験について、結束して阻止を図ることで一致する。また、小泉前首相の靖国神社参拝で悪化した日中関係を改善し、「未来志向」の関係の再構築に努力することを確認する。

 日中首脳会談は2005年4月以来約1年半ぶり。

 安倍首相は会談で、北朝鮮の核実験実施表明に「深刻な懸念」を示した国連安全保障理事会の議長声明を踏まえ、北朝鮮に影響力を持つ中国が実験中止を働きかけるよう求める。

 靖国問題では、自らの参拝について明言せず、政治問題化を避けたい考えを説明、理解を求める。胡主席もこの問題には深く言及しないと見られる。両首脳は、日中の相互交流の拡大でも合意する見通しだ。

 首相は8日午後、北京で温家宝首相、胡主席、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長の順に会談する。9日午後にはソウルで韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と会談し、同日夜に帰国する。

(2006年10月8日3時1分  読売新聞)

 中国メディアは中共の代弁ということを考えると、話半分に見ておいたほうがいいですが、一応は態度を軟化させてきたと見るべきでしょう。

 村山談話や河野談話を引き継ぎ、指導者の判断を「間違っていた」と語ったことについては、今までの政府としての見解の確認であり、特に目新しいことは無いですが、なにより、安倍首相の靖国参拝に明言しない方針を受け入れる姿勢を見せたことが大きい。

 小泉首相が靖国参拝を強行したといっても、それまでの日中関係がすべて清算されたというわけではありません。いままで積み重ねたものは依然として残ったままです。

 しかしながら、小泉首相が靖国参拝を強行したことによって、日中間に靖国参拝を不問にするという空気が生まれてきました。これは、戦後ずっと日中間で増大していき、靖国参拝禁止をめぐり首脳会談拒否にまで発展した“負のベクトル”が、この同じ靖国参拝問題を起点にして“正のベクトル”へと転換してきたことを意味します。

 安倍首相の“行ったか行かないかは明言する必要が無い”という戦略も効いてます。今回、小泉首相が8月15日に参拝する直前、安倍首相が4月に参拝したことがどこからとも無くリークされました。このことは靖国カードが日中どちらにとっても使える“ワイルドカード”的存在であることを意味しています。

 つまり、“行ったか行かないか明言する必要が無い”といことは、“いつ行ったのかをいつでも明言できる”ということであり、安倍首相が“靖国カード”をより効果的に使いますよ”というメッセージととることも出来ます。

 つまり、今回のどちらとも取れる玉虫色の決着は、実は譲歩でもなんでもなく、逆に日本にとって有利な条件であるといえます。中国側としてもこれ以上そんなことをわざわざ首脳会談で追求するよりは、逆に不問にしてこの問題を封印した方がよいと考える方がより自然ではないでしょうか。

 日中間において、北朝鮮問題は共に1国では手に余る問題であり、また、共に放置は出来ない問題です。そして、アジアの問題はアジアで解決することが原則だということを考えると、ここで日中が戦略的に手を結び、共同で北朝鮮に当たる事が望ましいと考えることは当然ではないでしょうか。

 なんにしても、すべては今日の首脳会談で証明されます。夜が楽しみです。

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おまけ

ロシアって怖い国ですね。ある意味中共以上です。感じる恐怖の質が違う。

チェチェン紛争告発の女性記者射殺される モスクワ 朝日新聞

少なくとも民主主義国家としての理念を共有しているとはいいがたいようですね。

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