中国の対日工作①
”対日協調工作小組”について、産経新聞の記事を紹介します
【「友好」の舞台裏】中国の対日宣伝工作(上) 党中央、戦略的に活動一元化
北朝鮮のミサイル乱射を受けた国連安全保障理事会での日本と中国の攻防は、熾烈(しれつ)を極めた。中国首脳は靖国神社参拝の姿勢を変えない小泉純一郎首相とは国際会議の場でも会おうともしない。その一方、胡錦濤国家主席は首相との対決姿勢を鮮明にする民主党の小沢一郎代表と会談、自民党に揺さぶりをかける。「日中友好」の裏側で活発化している中国の対日宣伝工作の実態を探った。
■いきなり排除
PHP総合研究所の江口克彦社長はこの7年、中国の地を踏んでいない。それ以前の25年間は、頻繁に中国で講演していた。きっかけは、PHPが平成11年、当時の李登輝台湾総統が書いた「台湾の主張」を出版したことだった。
「以前は中国へ行くというと、中国の学術機関から招待状が届いた」と江口氏は振り返る。
中国は、彼が松下電器出身で「経営の神様」といわれた松下幸之助氏を長くサポートしてきたことから、経済界とも太いパイプを持っていると判断していたようだ。
「松下幸之助は『経済の井戸』を掘った人として、中国でも尊敬されている。近くにいた私から話を聞きたいという人が、中国には非常に多い」と江口氏は語る。
しかし、「台湾の主張」を出版したことでその関係は切れた。その年の秋、日本の某大学教授から「あなたは北京で石原慎太郎さんとともに『悪のオピニオンリーダー』と話題になってますよ」と忠告された。
その後も中国の大学などから口頭で講演依頼が7、8件あったが、招待状は一度も届かなくなった。江口氏は「大学が中国政府に申請しても却下していると思う。『台湾の主張』を出した江口はけしからん、ということなのだろう」と語る。
■本国では抗日
昨年夏、東京・六本木ヒルズで中国政府主催の写真展「ともに築こう平和と繁栄-中国と日本60年の歩み」が開かれた。日本の政府開発援助(ODA)が中国の経済発展に役立ったことをPRするコーナーもあり、会場は友好ムード一色。中国国務院新聞弁公室の趙啓正主任(閣僚級)は記者会見で、写真展の前に中国で起きた大規模な反日デモによる日本人の対中感情悪化に触れ、「日中関係が難しい時期だからこそ、お互いのいいところを見なければならない」と述べた。
しかし、同様の写真展は中国国内では開かれなかったという。趙主任の言葉と裏腹に、同じころ、中国では日中戦争での中国空軍の業績をたたえる「抗日航空烈士記念館」が南京で着工され、米国など連合軍の元兵士約200人を北京の「抗日戦争勝利式典」に招待、「反日イベント」が頻繁に開かれていた。
元公安調査庁調査第2部長の菅沼光弘氏は「中国は対外宣伝活動を統一方針の下、理論的、組織的にやっている」と話す。
中国は数多くの対日交流機関や窓口を設け、日本の政党、民間団体、学術機関、マスコミなどに常時働きかけている。
中国事情に詳しい専門家によると、対日情報収集や宣伝工作で、最も強い影響力を持つのが国家安全省。全国各地に下部組織の安全局があり、日本に「工作員」を派遣する実行部隊となる。日本の政治、経済などの情報を収集しながら、日本に住む民主化運動家や台湾の協力者らを監視するのが主な業務だ。
人民解放軍の情報部も重要な役割を担っている。日本の軍事、産業情報などを収集するプロ集団であり、大使館に武官を派遣している。
関係者によると、この2つの部署から中日友好協会などに出向するケースは少なくない。また、人民解放軍総政治部の下にある国際友好連絡会が創価学会など宗教団体や海外援助活動に熱心な財団をカバーしており、活動範囲は広くきめ細かい。
菅沼氏は「一見バラバラに見えるが、活動方針はすべて共産党中央で決められており、一つの組織としてみた方が妥当だ。中国のやり方は巧妙なだけに日本にとっては脅威だ」と指摘する。
◇
≪「アメとムチ」戦術使い分け≫
■政界工作
中国が対日工作で最も重視しているのは政界への働きかけだ。
昨年11月、日中友好議連の中国訪問が突然中止になった。関係者によると、訪中団の人選に中国側からクレームがついたという。
訪中団名簿には町村信孝元外相の名前があった。その半年前、中国各地で激しい反日デモが起き、外相だった町村氏が緊急訪中したのだが、外相会談の冒頭、テレビカメラの前で抗議したことが怒りを買った。
中国側は日中友好議連に、間接的に「胡錦濤国家主席と会える」との好条件をちらつかせながら、町村氏をメンバーから外すよう求めた。しかし、日本側が拒否したため、訪中そのものが中止となった。
自民党関係者によると、一昨年9月、北京で開かれたアジア政党国際会議でも同様の騒動が起きた。自民党は棚橋泰文氏らを派遣しようとしたが、在京の中国大使館参事官が「棚橋先生では困る。直近に自民党員として台湾に行った人は中国として迎えられない」と激しく抗議。メンバー変更を強く求めたが、この時も党執行部の判断で、代表派遣を見送った。
一方、中国は7月4日、訪中した民主党の小沢代表に対し、胡主席との会談をセット、友好ムードを演出した。日中関係筋は「現在の対日政策の基本的な柱は民主党や与党内の親中派勢力と交流を深めることだ」と語る。小沢氏に秋波を送ったのも、自民党内で野中広務元幹事長ら「親中派」とされた大物議員が相次いで引退したことが大きく、野党第一党である民主党を押さえておきたいとの思惑からだという。
中国は「親中派」とみなした議員には、要人との会談を設定、熱烈な歓迎ぶりをみせ、地方都市の名誉市民や大学の名誉博士といった「称号」を与えて歓心を買う。逆に「反中派」とみなした議員には訪中拒否などで冷遇するといった「アメとムチ」の戦術を使い分ける。
京都大学大学院の中西輝政教授は、国連安保理の対北朝鮮決議の日本提案に中国が強く反対したことを「アジアのもう一つの大国である日本が国際政治の舞台で一人前のプレーヤーになってほしくないからだ」と分析する。同時に「中国の対日工作の攻勢をはねつけるには、国民がしっかり団結して対応しなければならない」と語る。
組織的かつ戦略的な中国の対日宣伝工作にいかに対応するか。「ポスト小泉」政権にとって重要な課題といえる。
以上、当ブログでもたびたび紹介している”対日協調工作小組”ですが、その対日戦略は、国内向けには更なる反日宣伝を、対日的には、日中友好を前面に出すという風に、かつての強硬論一本槍の頃と比べ、より巧妙化しています。
そしてその目的は、日本国内世論の分断にあるとみて間違いないでしょう。
今回の「富田メモ」についても、中国側の強硬論が日本では聞かれませんが、中国国内においては、以下のように報道しているようです。
中国共産党機関紙の人民日報は23日付紙面で、昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を示していたとされるメモが見つかったことに関し、靖国神社は日本の「軍国主義者」が大衆を洗脳するために使う「アヘンだ」と批判する署名論文を掲載した。
人民日報は、昭和天皇の発言について「A級戦犯の合祀に強烈な不満を示したものだ」と指摘、「メモが明らかになったこの機会に、日本は天皇の真意を真剣に受け止め、軍国主義の芽を摘み取るべきだ」などと警告している。
中国各紙は日本で天皇が不快感を示したと伝えられて以来、小泉首相の靖国参拝自粛を迫る記事を繰り返し報じている。
[2006年7月23日19時9分] 日刊スポーツ
靖国神社は「軍国主義者」の「アヘン」、天皇の真意を真剣に受け止め、軍国主義の芽を摘み取るべきだと強い調子で小泉首相の靖国参拝中止を迫っています。
しかしながら、人民日報日本語版を見てみると上記に該当する記事は無く、よりソフトな外交部の記事が載っているだけです。朝日新聞の人民日報記事一覧にいたってはこの記事すら載っていません。これは見事な報道規制ですねといわねばなりません。
つまり国内には反日宣伝を、日本に対しては日中友好を前面に出す戦略を体現する事態であり、その戦略の整合性をとるために、国内には情報規制を、日本に対しても親中派メディアの報道規制を行っているわけです。朝日新聞にいたっては検閲が行われてるといっていいでしょう。
中国国内向けの検閲にはインターネット規制があげられます。今日の産経新聞のweb版ではトップに中国の巧妙化するネット規制の記事がありましたが、これを報じているのは大手では産経新聞だけです。
記事によると中国のネット人口は1億2300万人に達し、ネット普及率は9.4%。半年前1500万人だったブロガーは2800万人となり、一大情報発信源となっています。これは、インターネットを出来る環境を整えられるのは、一部の富裕層だけと見ると、その大部分がネットで情報を得ていると見ることができます。
これは、中国人は伝統的に政府を信用していないため、新聞の情報ではなく、ネットで正しい情報を得ようとする為に高い普及率につながっていると思われます。
今回の規制は、中国共産党のネット規制システムに対抗するネット規制回避機能をもったプラウザへの対策であり、これは使用者のアクセス履歴を解析し、接続の判断を行うという巧妙なものです。個人情報保護も糞も無いシステムですが、中国という国はこういう国という一例でもあります。共産党って怖いですね。日本じゃ考えられません。
このように中国共産党は巧みな情報戦略によって国内には対日強硬を訴え、抗日戦線によって国民をまとめ、日本には日中友好を前面に出し、日本国内の対中強硬派と親中派の対立を煽り国論の二分化を図ろうとしています。
このことは、ここ1~2日の売国新聞の報道にも現れているようです。これについては長くなりすぎたので夜UPします。
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